SEOで上位表示するためには、上位表示する要因がなにかをしっかりと把握し、施策に反映してPDCAを回していくことが不可欠です。上位表示する要因を理解したとしても、自分のサイトになにが足りていないかはよく分析をしなければ特定は難しいです。
SEOを実施するようになってから日が浅い人や、これからSEOを担当する方には「SEOの分析ってなにをすればいいの?」という方もこの記事を参考に、まずは手を動かしてみてください。
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SEO分析とは?
SEO分析とは、検索結果での上位表示を目的に、自分のサイトと上位のサイトを比較し、足りない要素を探っていく作業です。
上位のサイトが上がっている要因、自分のサイトの順位が低い要因を見つけられなければ、上位表示を目指すための有効な施策は打ち出せません。戦略的に検索上位を狙うためには、必須であるといえる業務です。
ある意味競合調査に近い側面もあります。
SEO分析を行うメリット
SEO分析を行うことで、上位サイトがなぜGoogleに評価されているのか、自分のサイトがなぜ上位表示できないのかを明確にできます。狙っているキーワードやタグの使い方など、差分を明らかにすることで、上位表示を目指すために有効な施策の立案に役立ちます。
有効な施策を立案し、実施と検証、改善を繰り返すことで、上位表示を達成できる確率が上がります。この、分析~改善のプロセスを続けることが、上位表示への近道です。
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SEOのランキング要素
上位表示を目指してサイトの分析を行う前に、上位表示につながるランキング要素にどんなものがあるかを確認しておきましょう。
なにがランキングの決定要因かを理解していないと有効な分析につながりません。各項目についてそれぞれ解説します。
内部要因
検索エンジンがサイトやページを発見し、理解できるかどうかです。検索エンジンがサイトやページの存在を発見できなかったり、内容を正しく理解できなかったりすると、そもそもサイトは評価されません。
最低限検索エンジンにページを発見してもらえる状態でなければなりません。
コンテンツ
Googleはあるキーワードで検索されたときに、そのキーワードと最も関連性が高く、最も有益なコンテンツを優先します。
ユーザーが検索する可能性のあるキーワードを自然的に使用できることと、かつ有益な情報が届けられることを両立できるようにコンテンツを作成する必要があります。
コンテンツに関しては、Google公式の「結果を自動的に生成する仕組み」を読んでおくと理解が深まるでしょう。
参考リンク:https://www.google.com/search/howsearchworks/how-search-works/ranking-results/
ウェブサイトのユーザビリティ
一言にまとめると、サイトの見やすさ、使いやすさです。
下記は「結果を自動的に生成する仕組み」からの引用になります。
Google のシステムでは、コンテンツのユーザビリティも考慮されています。どのコンテンツも大きな差がない場合には、ユーザーにとってのアクセス性が高いコンテンツのほうが効果的です。
ランキング結果 – Google 検索の仕組み
上記のように、サイトのユーザビリティも、検索結果を自動生成する仕組みのうちのひとつであることが明記されています。
被リンク
被リンクは昔から比重の大きい要素として考えられていましたが、現在でも変わらず重要なランキングの決定要因です。
少し古い情報ですが、2016年に行われたGoogle公式のオンラインイベントで、Googleのアンドレ・リパセフ氏(Googleアイルランド上級ストラテジスト)が「ランキングに最も影響する要素はコンテンツとリンクだ」と明言しています。
現在の検索アルゴリズムは以前と比べて複雑化している分、リンクの重要度は下がったようにも思えますが、現在でも重要な要素のひとつであることは変わりません。
SEO分析の方法と流れ
ここからは具体的な分析方法をお伝えしていきます。専門的な内容になりますが、まずは以下の項目を参考に、自分のサイトと上位のサイトを比較してみましょう。
サイト内部のチェック
1つ目は内部対策です。Googleがページを発見できない、認識できない状態になるとそもそも評価はされません。ここを改善させるための分析が必要です。
「内部対策」というキーワードにまとめてしまうと、かなり広い意味合いになってしまいますが、検索セントラルの公式にヒントがあります。
参考リンク:https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/how-search-works?hl=ja
Google検索には3つの流れがあります。
1.クロール: Google は、クローラーと呼ばれる自動プログラムを使用して、ウェブ上で見つけたページからテキスト、画像、動画をダウンロードします。
2.インデックス登録: Google は、見つけたページ上のテキスト、画像、動画ファイルを解析し、その情報を Google インデックス(大規模なデータベース)に保存します。
3.検索結果の表示: ユーザーが Google で検索すると、Google はユーザーの検索語句に関連する情報を返します。
Google の検索エンジンの仕組み、検索結果と掲載順位について
上記は検索セントラルからの引用ですが、噛み砕くと、Googleがページを発見し、ページの内容を正しく理解し、その上で検索結果に反映します。
「ページの発見」については、Googleがサイトやページにたどり着けるかを分析しましょう。
具体的には、
- sitemap.xmlの設置状況
- robots.txtの記述内容
- ページやコンテンツが有効か(ブラウザで閲覧できるか)
などを確認します。
「ページの理解」については、ユーザーと検索エンジン双方が正しくページの内容を理解できるかが重要です。
具体的には、
- ディレクトリ構造
- 内部リンク構造
- タイトルタグの設置状況
- 見出しタグの設置状況
- altタグの設定
などを確認します。

競合との比較
検索上位を目指すための分析なので、現在上位を占めている競合サイトについては必ず傾向を確認しておきましょう。
比較するべきポイントは以下のとおりです。
- インデックス数
- 記事ページ数
- 流入キーワード数
- アクセス数
- ページの文字数
- 見出しの構成
- 被リンク数
- DR
上位サイトが各項目でどんな数値なのかを調べて比較すると、自分のサイトに足りないものが見えてくるかもしれません。
すべてを個別で解説するととても長くなってしまうので、下記の記事を参考にしてください。

コンテンツの比較
上位サイトと掲載しているコンテンツを比較してみましょう。
よくあるのは上位サイトと比較して、ユーザーの欲しがりそうな情報が掲載されていないパターンです。この場合は文章を追記するなどの対応が必要です。
また、内容によっては文章ではなく、画像、動画など、他の形態のコンテンツを選択するほうがユーザーの理解度が高いかもしれません。ユーザーの求めている情報が適切に伝わるためには、どのように情報の発信をするのが最適なのかを考え、サイトに実装しましょう。
とくに記事コンテンツの場合は、下記の記事で詳しく解説しています。

キーワードのチェック
前述の競合との比較で、上位サイトの流入キーワードを調べますが、これを行った後に自分のサイトで狙うべきキーワードが妥当であるかどうかはチェックしておくべきです。
調査の結果、自分のサイトで狙っているキーワードは情報を届けたいユーザーが検索しないキーワードかもしれません。この場合はユーザーの求めていないコンテンツを発信している状態なので、狙っているキーワードでの上位表示は難しいです。
また、仮に狙っているキーワードがあっていても、掲載している情報がユーザーにとって不十分だったり、理解しにくい情報だったりするかもしれません。この場合はコンテンツの内容を見直し、修正する必要があります。コンテンツだけではなく、ページのタイトルや見出し、キーワードの出現率などにも気を配りましょう。

被リンクの調査
前述しましたが、被リンクは現在でも重要なランキング要素のひとつです。最も良い被リンクは、自分のサイトとリンク元サイトの関連性が強く、かつ世間的に有名である、SEO評価が高いなど、優良なサイトからのリンクになります。このように、被リンクは数だけでは判断できず、「質」も重要です。
被リンクを分析するためには後述する被リンク分析ツールの必要がありますが、コンテンツやその他の面でも優れているのにどうしても上位表示できない、という場合は被リンクの評価が関係している可能性があります。
関連性の高いサイトからの被リンクが圧倒的に足りない場合は新規で獲得するための施策を、数では勝っているのに上位表示できない場合は、現在もらっている被リンクの質を確認すると改善のヒントがあるかもしれません。
被リンクの獲得施策については下記の記事をご覧ください。

サイトのUI
コンテンツやリンクの面で差が少ない場合はUIやUXの面で違いがあるかもしれません。見やすさ、使いやすさというのは主観的なものかもしれませんが、下記のような点を比較してみましょう。
- ページが表示される速度にストレスがないか
- モバイル(スマホ)表示に対応しているか
- 文字やコンテンツの大きさはモバイル(スマホ)ユーザーにも読みやすいものか
- ナビゲーションにユーザーのほしい情報がわかりやすくそろっているか
- 重要でないコンテンツがページの上部に来ていないか
- 誤クリックを誘発する要素がページ内にないか
- 内部リンクは適切な位置に適切な大きさで設置されているか
UIUXについては解説する事項があまりに多すぎるので観点のみ記載しておきます。今後別の記事で解説するかもしれません。
今行っている施策の見直し
さまざまな観点からサイトの分析を行ったら、実際にサイトへ実施する施策に落とし込んでいきましょう。サイトによって課題が異なるので、ここからはサイトごと、分析ごとに行うことは変わってくるはずです。
とはいえ、行うことは課題ごとにほぼパターン化されると思っています。分析の結果、頻発する課題とその原因を思いつく限りまとめておきます。
- robots.txtで該当ページのクロールを除外してしまっている
- 該当ページ内でnoindexタグを使用している
- 該当ページが別ページへリダイレクト設定されている
- タイトルにキーワードが使用されていない
- 見出し(hタグ)にキーワードが使用されていない
- ページ内のコンテンツにキーワードが使用されていない
- 必要な情報が足りない
- 掲載されている情報をユーザーが理解しにくい
- 適切なタイミングで補助コンテンツへの誘導が存在している
- 有効なキーワードを把握できていない
- 検索ボリュームが大きすぎる、または小さすぎる
- 被リンク数が足りていない
- もらっている被リンクの質が悪い
- 表示速度が遅い
- スマホ表示時、表示崩れが起きる
- フォントが小さく、読みにくい
- クリック要素がデザイン的に判別できない
もちろん、上記以外にもさまざまな課題が存在します。もし自分で分析しても特定できない場合は外部の支援会社などに依頼することも視野に入れましょう。
SEO分析に使えるツール
最後に、SEO分析を行う際によく使用するツールを紹介します。無料のもの、有料のものもありますが、必要な分析内容に応じて取捨選択してください。
Google Analytics(無料)

Google AnalyticsはGoogleが提供している、無料(有料プランも有り)の分析ツールです。
自分のサイトのユーザー数、セッション数、PV数、CV数など、サイト流入に関わるさまざまな数値を可視化してくれます。サイトに訪れたユーザーの入り口になったページやよく閲覧されているページなども把握できるので、コンテンツの改善に役立ちます。
少し高度な使い方になりますが、ページ間でのユーザーの動きなどもある程度把握が可能です。
SEOの分析ツールとしては基本になるので、各数値がなにを表しているかなど慣れておきましょう。
参考リンク:https://developers.google.com/analytics?hl=ja
Google Search Console(無料)

Search ConsoleもGoogle Analyticsと同様に、Googleが無料で提供している分析ツールです。Google Analyticsがサイトへ流入後のユーザーの動きを把握するツールなのに対して、Search Consoleはサイトへ流入するまでのユーザーの動きを確認できます。
主に使用する機能は、自分のサイトがどんなキーワードでどのくらいの順位を取得しているか、検索結果画面でどのくらい表示されてどのくらいクリックされているかなどです。
その他、公開したばかりのページのURLを登録する、ページのインデックス状況を確認する、エラーの発生しているページを教えてくれるなどの機能もあります。
Google Analyticsと合わせてSEO分析の基本ツールであり、まずこの2つはマストで導入し、扱えるようにしておきましょう。
参考リンク:https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
SEOチェキ(無料)

SEOチェキは、競合サイトが指定したキーワードでどのくらいの順位を取得しているか調べてくれる無料ツールです。
対象のサイトURLを入力したら、順位を知りたいキーワードを指定するだけ、と使い方が非常に簡単です。その他、指定したURLのインデックス状況なども確認できます。
無料のツールですが、簡易的な競合調査であれば充分に使える内容です。上述の基本となる2ツールが使えるようになったら、まずはSEOチェキから使ってみるのが良いかもしれません。
参考リンク:https://seocheki.net/
ラッコキーワード(ラッコツールズ)(無料)

ラッコキーワード(ラッコツールズ)は入力したキーワードの関連キーワードを一括で取得できる、キーワード調査ツールです。無制限版はユーザー登録を行うと無料で使用でき(有料の高機能版もあり)、指定したキーワードの上位20ページの見出し構成を抽出してくれる機能もついています。キーワード調査の領域では基本となるツールです。
また、同社の別ツールですが、ラッコツールズには画像変換やコードチェックなど、SEOを担当するものにとってはあると便利な機能がたくさんついています。こちらもブックマークしておくと分析やSEO業務が捗るはずです。
参考リンク:https://related-keywords.com/
PageSpeed Insights(無料)

PageSpeed Insightsは入力したURLの表示速度を点数化してくれる無料ツールです。こちらも使い方が非常に簡単で、表示速度を知りたいページのURLを入力するだけです。
表示速度を数値化するだけではなく、高速化するために必要な対策も同時に示してくれます。個人的に表示速度はランキング決定の要素としては大きくないものと認識していますが、実際のブラウザ上での表示速度が体感で遅い場合はユーザーの離脱を招く可能性があり、関節的にはランキングにも影響します。
もし体感で表示速度が遅いと感じるときは、使用することで原因を特定できるかもしれません。
参考リンク:https://pagespeed.web.dev/
ahrefs(エイチレフス)

ahrefsは競合分析に長けている総合的なSEOツールです。有料になりますが非常に高機能で、とくに被リンクの分析に非常に向いていて、競合サイトが獲得している被リンクを一覧化してくれます。被リンク以外にも検索順位、ドメインの強さ、流入キーワードなど、さまざまな情報を一括で調査できるツールです。
非常に高機能ですが有料のツールになるため、本格的にSEO改善を目的として分析する際には検討してみるのも良いでしょう。無料のトライアル期間もあります。
参考リンク:https://ahrefs.jp/
Semrush(セムラッシュ)

Semrushも有料で高機能な競合分析ツールです。競合サイトの被リンク状況や順位状況を可視化するだけではなく、広告やSNSについても分析が可能です。競合分析だけではなく、キーワード調査や内部対策の調査も自動で行ってくれる機能がついています。
有料ツールの中では高価格帯になりますが、機能としては非常に充実しており、使い方によっては無料ツール+Semrushで主要な分析が完了できます。
より本格的にSEO分析を行いたい、SEO以外の領域でも競合分析したい、という場合には導入を検討しましょう。
参考リンク:https://semrush.jp/
まとめ
SEO分析は主に上位表示を目的に行うものであり、上位表示を狙う以上はランキング要素を正しく把握していることが前提になります。上記で紹介したようなさまざまなツールを目的別に使い分け、上位表示に足りない要素を洗い出した上で施策の立案に役立てましょう。
SEO分析は専門性が高く、一朝一夕で身につくものではありません。知識やツールの使い方を知っている必要ことはもちろん、実際に分析と施策の立案、改善を行った経験が重要な側面もあります。
もし自分で分析をするのが難しい、実際に分析~改善まで行ったがなかなか効果が出ない、という場合には外部の支援業者に依頼することも検討しましょう。
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